2012年4月27日から北京の新国際展覧中心で一般公開が始まった「第12回北京モーターショー(AutoChina2012)」(図)。新館と旧館を両方使い、展示面積は23万m2と、前回より3万m2広くなり、「上海モーターショー」と並んで世界最大規模。中国政府が次世代動力車の普及を後押しする姿勢を見せ、それに応えるかのようにほとんどのメーカーが次世代動力車を展示した。

図 北京の新国際展覧中心新館
図 北京の新国際展覧中心新館
会期直前に鉄道が開通したため、前回までのような渋滞は解消された。今回から駅のそばの東門が、事実上の正門になった。

 ショー開幕直前の4月18日、中国政府は中国国内の次世代動力車の生産、販売規模を2015年までに50万台、2020年までに500万台とする方針を打ち出した。なお、政府の言う次世代動力車は“新能源車(新エネルギ車)”と同じ集合ではない。EV(電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を含むことは間違いないが、HEV(ハイブリッド車)がどうなるかは不明。ショーには政府の方針を予期したかのように、88台という大量の新能源車が並んだ。全体が1125台だから、その約8%だ。政府の後押しを受けて、次世代動力車の開発がますます進みそうだ。
 2年前にはなかったことだが、会場にはレンジエクステンダ付きのEVが現れた。定義としてはPHEVに属する。EVの開発で航続距離に関して多くの経験をしたメーカーが、「やはり長距離には別の選択肢を用意する必要がある」と悟ったのかもしれない。
 奇瑞汽車は、ロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダ付きEV「M1PEEV」を展示した。1ロータのエンジンで発電機を回す。エンジン排気系の熱が電気系を傷めないようにする遮熱板が見るからに不完全で、このまま走れるとは考えにくいが、展示のため、見やすいように外したモデルだという可能性もある。

以下、『日経Automotive Technology』2012年7月号に掲載