戦略的ラインアップで多様な製品を実現
今回は、構想設計の手順書について説明する。その前に製品開発プロセスにおける構想設計の位置付けを確認しておく(図)。
製品開発プロセスの最上流は製品企画であり、エンドユーザーの製品に対する漠然とした市場要求(VOC:Voice of the Customer)を基に総合製品企画で製品ラインアップを、個別製品企画で個別製品の具体的な製品仕様を決定する。その次に来るのが構想設計である。構想設計では「システム設計」「品ぞろえ設計」「設計部品構成決定」の3つを行う。
システム設計では、製品仕様を実現する製品システム(製品の方式)の具体的な機能ブロック図、レイアウト図、配管・配線図を決定する。品ぞろえ設計では、具体化した製品システムを基にどのような派生品(バリエーション)を用意するかを検討する。設計部品構成決定では、派生品を含む全ての設計部品の構成を決定する。
設計部品構成を確定した時点で、各部品について内製するか外注するかを検討し、外注する可能性がある部品についてはサプライヤーに仕様(引合仕様)を提示する。サプライヤーは、その部品(サプライヤーにとっては製品)の詳細仕様を決め、システム設計および下位の設計部品構成決定を実施し、さらに価格と納期を決めた上で最終製品メーカーに対して見積仕様を回答する。
〔以下、日経ものづくり2012年5月号に掲載〕
モノづくり経営研究所イマジン 代表