NECエナジーデバイスは、EVやHEVに向けたLiイオン2次電池の正極や負極を量産している。NECがMn系の正極にNiを混ぜる技術を開発し、それを基に欠点だった寿命を延ばした。この正極を使って電池セルを造るAESCでは、薄い電極のシートを重ねるラミネート構造にして放熱性を高め、安全な電池を実現した。(本誌)

 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の性能のカギを握るのがLiイオン2次電池。NECエナジーデバイスは、Liイオン2次電池の電極(極板)の生産を手掛けている。その生産量は世界需要の約10 %に達する。生産した電極を日産自動車とNECの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC)に納入し、AESCが電池セルやモジュール、パックに組み立てる(図)。それを日産に納め、同社がEV「リーフ」やHEV「フーガハイブリッド」に搭載する。
 NECエナジーデバイスやAESCが生産する電極やセルは、NECの電池技術を基に開発したものである。特徴はMn系の正極材料や電解液の添加剤、薄い正極などを積み重ねるラミネート構造にある。それらを組み合わせて、寿命を長くしながら、安全で安いLiイオン2次電池を実現する。

以下、『日経Automotive Technology』2012年5月号に掲載
図 合弁会社を通じて日産に納入
図 合弁会社を通じて日産に納入
NECエナジーデバイスはLiイオン2次電池の電極をAESCに納めている。