ホンダが100%出資する航空機事業会社の米Honda Aircraft社は、開発中の7人乗り小型ビジネスジェット機「HondaJet」の量産を2012年中に開始し、翌2013年半ばからまず米国で顧客への納入を始める。2011年12月20日に米国で量産型3号機の初飛行と、同2号機を使った制限荷重試験の完了を発表した際に明らかにした(図)。

 量産は、2011年4月に完成したNorth Carolina州Greensboro市の機体製造工場で行う。当初ホンダは2010年中に1号機を納入する計画だったが約3年の遅れとなった。もっとも、航空機の納入の遅れは珍しくなく、2011年9月に全日本空輸に初号機が納入された米Boeing社の中型旅客機「Boeing 787」も3年遅れての納入だった。HondaJetは今後、最大市場である米国での実用化に不可欠な米連邦航空局の型式認定取得に向けて、最終段階を迎える。

〔以下、日経ものづくり2012年2月号に掲載〕

図●量産型2号機を使った制限荷重試験の様子
制限荷重試験とは、飛行機の運用中に加わると考えらる最大荷重(制限荷重)を機体各所にかけて、変形などを確認する試験。HondaJetは型式認定の申請に必要な同試験を完了した。