2011年11月に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、野田佳彦首相はTPP交渉への参加に向けて関係国との協議に入ることを宣言した。TPP加盟の賛否を巡る議論は今もなお活発だが、経済産業省などによる試算では製造業への恩恵が大きいとされている。そこで、実際に製造業に携わる人はTPPの影響をどのように考えているのかを調査した。多くの人が、製造業としての立場だけではなく一消費者としても、さまざまなメリットを期待している様子が垣間見える。

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 日本がTPPに加盟した場合、勤務先ではメリットとデメリットのどちらが大きいかを尋ねた。「メリットが非常に大きい」「メリットがやや大きい」と回答した人が計49.3%と多かった。TPP加盟によって関税が撤廃されれば、事業機会や売り上げが増えると期待しているようだ。「デメリットが非常に大きい」「デメリットがやや大きい」は計16.1%、だった。業種別では、自動車や家電、機械・電子部品などでTPP加盟のメリットが大きいと感じている人が多い。

 ただし、TPPの内容は今後の交渉によって決まるので、「現時点では判断できない」という回答も9.1%に達した。

〔以下、日経ものづくり2012年1月号に掲載〕