悪さ加減を認識し基盤整備後に標準化へ
前回(2011年11月号)は、ダイセル式が「人の行動がカワル」ことを目指しており、そのために「人」と「全体最適」に着目して、結果系から意思決定フローを整理する基本思想を紹介した。整理したフローからムダを省き、従業員の革新活動へのモチベーションを高められるのもダイセル式の特徴だ。
今回は、どんなステップで「人の行動がカワル」を実現するのか、ダイセル式のステップアップの仕組みを解説してもらう。(本誌)
ダイセル式においては、「あるべき姿」に向けて、次のようにステップアップしていく。
(1)ミエル:現状解析とゆとりの捻出(=課題の発掘、安定化・基盤整備)
・徹底した業務の安定化
・全社統一基準のルールの策定と実行
(2)ヤメル:ワークスタイルの変革(=標準化)
・意思決定支援機能の導入
・ノウハウ/技能/技術の顕在化、知的財産化
・マネジメント・スタイルの変革
(3)カワル:全体最適な仕組みづくり(=システム化、維持・向上とさらなる展開)
・意思決定支援システムの構築
・製-販-物流の業務革新
これらのステップにおいては、通常のPDCA〔Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)〕サイクルではなく、次のようなCAPDのサイクルを回していく。現状をしっかりと認識した上であるべき姿を描き、それに向かって計画的に行動していくことが大切だと考えているからである。
〔以下、日経ものづくり2011年12月号に掲載〕
ダイセル 生産技術室 生産革新センター 所長