前方と後方の各1個のカメラでさまざまな機能を実現

 「これまではミリ波レーダや超音波センサ(ソナー)を主軸に考えていたが、安全技術はカメラを中心に開発するようになりつつある」──。日産自動車で技術開発を統括する豊増俊一氏(同社 執行役員 電子技術開発本部 EV技術開発本部担当)は、2011年10月上旬に開催した「先進技術説明会&試乗会 2011」でこう語った。

 同社は従来、ミリ波レーダやソナーをベースに安全を高める技術の開発に注力してきた。だが、最近のカメラの認識技術の進化によって、安全技術の中核をカメラに担わせる開発の方向に舵を切った。ミリ波レーダやソナーは、補助的に利用していくとする。

移動体を検知する機能を追加

 日産自動車のカメラを活用した安全技術の代表例に、車両周囲の映像を俯瞰するように表示する「アラウンドビューモニター」がある。これは、車両の前後左右に一つずつ載せた合計4個のカメラの映像を合成して、一つの映像として見せるもの。日産自動車は2007年10月に発売した「エルグランド」で同システムを初搭載した。

『日経エレクトロニクス』2011年10月31日号より一部掲載

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