写真:松田 弘

 理化学研究所と富士通が共同で開発中の「京」は、現時点で世界最速のスーパーコンピュータ(以下、スパコン)です。2011年6月20日にドイツのハンブルグで開催された「26th International Supercomputing Conference(ISC)」で公表された、スパコンの計算速度ランキング「第37回TOP500」において、ダントツの1位を獲得しました。

 京はまだ整備途中の段階でしたが、LINPACKを使った計算速度の測定で、世界最高性能の8.162PFLOPS(ペタフロップス、毎秒8162兆回の浮動小数点演算を行う)を達成しました。これは、2位の中国のスパコンに比べて3倍以上の速さです。
〔以下、日経ものづくり2011年11月号に掲載〕(聞き手は本誌副編集長 高田憲一)

平尾 公彦(ひらお・きみひこ)
理化学研究所 計算科学研究機構 機構長
1974年京都大学大学院工学研究科燃料化学専攻博士課程修了。名古屋大学教養部講師、助教授を経て、1988年に名古屋大学教養部教授。1993年東京大学工学部工業化学科教授、2004年東京大学工学系研究科長・工学部長を経て、2007年東京大学副学長に就任。退官後は理化学研究所計算科学研究機構設立準備室長を経て、2010年7月に同機構機構長に就任、現在に至る。