車載機器の電子化が進んでいる。電子制御ユニット(ECU)も、カー・ナビゲーション・システムも電力を供給しなければ動作しない。電力はバッテリに蓄えられている。この電力を、各車載機器に最適な電圧に変換するのが電源回路だ。

 アクチュエータやモータ、半導体といった部品を駆動するには、電力の供給が欠かせない。ところが、こうした部品の動作に必要な電圧はそれぞれ異なる。バッテリ(2次電池)の出力をそのまま供給したのでは動かない。そこで、登場するのが電源回路(電力変換回路)である。各部品が必要とする電圧を、バッテリの出力電圧を変換することによって供給する。
 現時点でも、自動車にはすでに数多くの電源回路が搭載されている。今後、この数は飛躍的に増加する見込みだ。ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)など、車両の電動化が進むからである。自動車における電源回路の重要度はますます高まる。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載