自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展2011」(図)では、各社が軽量化技術を競った。素材や形状、加工法を変える手法の提案が相次いだ。EV/HEVの開発では、乗用車だけではなく商用車にも力点が置かれた。さらに内燃機関や変速機の一層の効率向上を狙う取り組みを各社が披露した。

図 会場風景
例年通り、横浜市の「パシフィコ横浜」で開催された。

 ルーフをガラスから樹脂にして質量を40%減、コイルばねの形状を変えて15%減、Al(アルミニウム)を薄肉化して40%減──。
 自動車メーカーが車両の軽量化に邁進する中、「人とくるまのテクノロジー展2011」では自動車部品メーカー各社が大幅に軽くできる部品や技術を見せた。各社は(1)素材、(2)形状、(3)加工法の三つを変えることで部品を軽くしていた。樹脂や発泡体といった素材に置き換える、剛性を維持しつつムダな肉をなくす、金型への工夫や新しい接合法を考えて既存の部品をなくすといった技術を提案した。
 (1)の素材の変更で、ルーフをガラスから透明な樹脂に置き換えて大幅な軽量化を実現したのが豊田自動織機である。同社は、トヨタ自動車の「プリウスα」に搭載するPC(ポリカーボネート)製のパノラマルーフを出展した。プリウスαではガラス製のルーフも選べるが、PC製ルーフはガラス製と比べて質量が約40%軽い12kg。将来は、ルーフより耐久性が求められる車両の横窓を樹脂に置き換えることを狙う。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載