マツダは2011年6月に小型車「デミオ」を部分改良した。目玉は、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」を初めて搭載し、ハイブリッドシステムを使わずに10・15モード燃費30km/Lを実現したことだ。

 新型デミオが搭載したのは、新開発の排気量1.3L・直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」(図)。これとCVT(無段変速機)を組み合わせ、アイドリングストップ機構「i-stop」の採用や空気抵抗の低減、低ころがり摩擦タイヤの採用と相まって、従来の1.3LにCVTを組み合わせたデミオの10・15モード23km/Lから、約30%燃費を向上させた。30km/Lはホンダ「フィットハイブリッド」と同じ値だ。
 SKYACTIVは、エンジン、変速機、車体、シャシーなどを含むマツダの次世代技術の総称。同社は2015年までに平均燃費を2008年に対して30%高めることを目標に掲げており、今回デミオに搭載したSKYACTIV-G 1.3エンジンはその商品化第一弾となる。
 SKYACTIV-Gの最大の特徴は、量産ガソリンエンジンとしては世界最高の14.0という高い圧縮比にあり、これにより熱効率を上げることで、燃費とトルクをそれぞれ15%向上させることに成功した。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載
図 SKYACTIV-G 1.3の外観
既存のプラットフォームに搭載するため、4-2-1排気システムは搭載できず、従来と同じ4-1排気システムとした。