設計・製造の情報を、現場にいながら自由に見ることができる。そのような環境を目指して、スマート端末とクラウドの組み合わせを応用する動きが広まっている。「第22回設計・製造ソリューション展」(2011年6月22~24日、東京ビッグサイト)では、スマート端末応用のシステムの出展が目立っていた。

 スマート端末は、製造現場への情報供給と、情報把握の両面で利用価値が高いと期待される。これまで、大型ディスプレイを製造現場に設置する例もあったが、大型ディスプレイは設置場所と向きが固定されてしまい、現場作業者がディスプレイの方を向かない限り、情報を得られない。しかし、スマート端末ならば、このような場所の制約はほとんどなくなる。

 同展示会ではさらに、国産の先進ツールとして、設計段階の部品表(BOM)への適用を目指したPDM(製品データ管理)/PLM(製品ライフサイクル管理)ツールの展示があった。3次元データの応用については、精度向上の進んだ3次元スキャナと3次元造形装置によって、現実の形状とコンピュータ内のデータを結び付ける動きが盛んで、多くの新製品が見られた。

〔以下、日経ものづくり2011年8月号に掲載〕