【強さの秘密】交換可能なアタッチメント式の採用やコンクリートを細かく砕く新工法の開発など、斬新な発想と技術で業界を先導してきた。「小さな力で大きく壊す」解体機造りにこだわり、使い勝手の良さと高い耐久性で同業他社を引き離している。

 坂戸工作所が開発・製造しているのは、油圧ショベルカーのアームに取り付けて使うアタッチメント式の解体機。コンクリートや鉄筋などを破砕・切断するための機械だ。ビルやマンションの解体をはじめ、現在は東日本大震災の被災地でのがれきの撤去作業などでも同社の装置が活躍している(図)。

トータルコストで差異化

 坂戸工作所は、コンクリートなどを小さく砕くための「小割機」と呼ぶ解体機を数多く取りそろえている。だが、最も得意としているのは、破砕と切断を1台でこなす複合型解体機である。国内の高層建造物に数多く用いられている鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造の建造物向け複合型解体機では、市場シェアの約30%を握るという。主力は2003年に開発した「SDS」シリーズだ。

〔以下、日経ものづくり2011年7月号に掲載〕

図●東日本大震災の被災地で作業中の解体機
がれきに混入した金属の切断作業(岩手県・洋野町で)。