<序章>
攻めに出る日本企業
電機・大買収時代

国境を越えた企業のM&Aが活発になってきている。停滞感が漂う国内電機産業だが、産業構造の組み替えを実施し、海外市場を攻略できれば、その未来は決して暗くない。

国内統合で自力をつけて海外M&Aへ

 日本企業の間で、海外企業を相手とした合併・買収(M&A)の動きが戻りつつある。

 調査会社の米ThomsonReuter社によれば、2010年の日本企業による海外企業のM&A件数は対前年比1.5倍となる520件で過去最多となった。金額は3.4兆円であり、対前年比で87%増加した。

 昨今の円高は、海外企業を買収するには絶好の機会。未曽有の円─米ドル為替レートを背景に、日本企業は攻めのM&Aモードに突入している。

海外企業を買った日本企業
  • ルネサス
  • リコー

中国資本で復活した日本企業
  • ラックスマン
  • 東山フイルム

『日経エレクトロニクス』2011年4月4日号より一部掲載

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エレクトロニクス業界へのエール

<事例に学ぶ将来像>
これまでの常識を疑え
答えは原点にある

電機業界の研究開発に蔓延する多くの“常識”。研究開発機能を海外に移転する、早期の事業化を求める、技術をブラックボックス化する。異業種を含む製造業全体を見渡せば、こうした“常識”に逆らって成長を続ける企業が多くある。

原点を忘れず、世界に打って出る

 電機業界ではグローバル化の流れとともに、研究開発機能を海外に設け、研究者や技術者を世界中に求める考えが“常識”となりつつある。

 ところが製造業全体を見渡すと、電機業界とは異なる“ 常 識 ”を基に、グローバル化で成功を遂げている企業がある。

 その代表例が建設機械大手のコマツだ。同社は2010年度の連結売上高として1兆8150億円を見込む。その売り上げ規模は、日本の最大手半導体専業メーカーであるルネサス エレクトロニクスの約1.6倍、同じく国内最大手の電子部品メーカーであるTDKの約2.1倍を誇る。

『日経エレクトロニクス』2011年4月4日号より一部掲載

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