東南アジアで3番目に大きいマレーシア自動車市場。2010年には過去最高の販売台数60万台を記録した。このうち、国産車メーカーのPROTON社とPerodua社の合計シェアは過半数を超える。2011年3月に日産自動車との技術提携の開始を発表したPROTON社の戦略を探る。

 赤道に近いマレーシアは、マレー半島において北側がタイ、南側がシンガポールに接している。一方、東地域ではボルネオ島でインドネシアと隣り合っている。総面積は33万km2、総人口は2756万5821人(2010年の国勢調査)。つまり、日本の約9割の広さの国土に、約2割の人口がいる計算となる。首都のクアラルンプール周辺の都市圏には700万人が暮らす。
 主力産業は、パーム油および石油、天然ガスの生産。天然ゴムとスズも生産するが、近年は合成ゴムの普及や競争の激化で生産は伸びていない。

シェア1、2位は国産車メーカー

 自動車の生産も多い。東南アジアではタイ、インドネシアが年間70万台規模の市場を形成しているが、マレーシアも2010年には過去最高の60万5156台の販売台数を記録した(図)。これに伴い、国内自動車生産台数も56万7715台で過去最高となった。
 乗用車は54万3594台で、内訳は通常の乗用車が41万4539台、MPV(多目的車)が10万7714台、4輪駆動車とSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)が1万5416台、Window Van(小型バン)が5925台。一方、商用車は合計6万1562台で、最も多いのはピックアップトラックの4万414台。

以下、『日経Automotive Technology』2011年5月号に掲載
図 マレーシアの自動車販売台数推移
2010年に総販売台数が60万台を超え、2005年の55万台を抜いて過去最高を記録した。(出典:Malaysian Automotive Association)