研究者の視点
野村総合研究所 グローバル戦略コンサルティング部長 北川史和氏
米Wisconsin大学Madison校MA終了。1994年野村総合研究所入社。専門は自動車、電機産業などのグローバル企業の戦略立案。

 国家ではその大小を問わず、政治のトップは「1人」であることが多い。同様に、企業経営においても、その規模の大小にかかわらずトップは「1人」である。それでは1人の経営者が、どれほど企業の規模が大きくなっても意思決定をすることは可能なのだろうか。
 2008年9月に起きたリーマンショックと、それに伴う信用収縮により、当時世界最大の自動車メーカーだった米GM社は破綻を余儀なくされた。そこまでGM社が追い込まれるに至った一つの要因として、同社が規模を追い続ける余り、その結果として意思決定の構造に誤謬を生じていたことが指摘されている。

以下、『日経Automotive Technology』2011年5月号に掲載