米Google社は、同社の携帯端末向けOS「Android」を搭載するスマートフォンやタブレットPC向けに、ルート案内サービス「モバイルGoogleマップナビ」を無償で提供している。日本法人のグーグルにカーナビ市場参入の狙いを聞いた。

 米Google社は2010年9月から、国内で「モバイルGoogl eマップナビ」のサービスを提供している。同社の携帯端末向けOS「Android」を搭載するスマートフォン(タブレットPCを含む)向けに、簡易カーナビの機能を無償で提供するもの。
 Google社はPCで利用できる地図検索サービス「Googleマップ」を用意しており、今回、このサービスを拡充することで、スマートフォンでルート案内サービスを利用できるようにした。
 モバイルGoogleマップナビ(以下Googleマップナビ)では、Googleマップの機能である航空写真やストリートビュー形式(画像)でも表示できるのが特徴。また、施設情報などもGoogleマップのデータを使っており、スマートフォンからでもPCと同じように検索できる。
 このように、Googleマップナビは、Google社の既存の検索サービスや地図データの資産を最大限に生かした試験的なサービスで、自動車メーカーやカーナビメーカーを意識して開発したものではない。Google社の将来に向けた新しいサービスを探るのが目的だ。
 Googleマップナビの利用者が今後増えれば、Google社のPCを含めた検索サービスの利用者も増え、本業である検索サイトのページビュー増加にもつながる。検索キーワードに適した広告ビジネスなどを展開する可能性もある。
 Googleマップナビは、カーナビ専用機と比べて、ルート案内時に車線レベルでの案内がないほか、渋滞情報を加味したルート案内機能も備えていない。あくまでも助手席の乗員向けのルート案内サービスという位置付けだ。ただし、渋滞情報については、今後サービスを追加する予定だ。

以下、『日経Automotive Technology』2011年5月号に掲載