3次元CADを導入したが、なかなか開発プロセスの効率化が進まない──。そう悩んでいる企業は少なくない。この悩みは、新しい機能を持ったツールを導入したからといって解決するものではない。3次元設計に取り組んではいるが、十分な効果が得られていない企業の体質のどこに問題があるかを分析し、その結果に応じた改善方法を選択できるスキルを、本コラムでは伝授します。

 前回(2011年2月号)の本コラムでは、多くの製品開発現場が抱えるデザインレビュー(DR)の問題点に触れた。そこには

・DRの形骸化
・DRの通過基準が不明確

 という2つの共通点があることを指摘し、解決のためのポイントを説明した。さらに「不具合未然防止」につなげるには、DR(プロセス)の改善だけではなく、製品(プロダクト)の機能について本質的な理解を深め、品質を向上させることが必要であると述べた。

 今回は、不具合未然防止を実現するために必要な、活動のポイントを解説していく。

〔以下、日経ものづくり2011年3月号に掲載〕

図●DRの開催タイミングとチェック項目

宮木邦宏(みやき・くにひろ)
O2 技術ディビジョン シニアコンサルタント
大手精密メーカー、3次元CADシステム・ソリューション・ベンダーを経て、O2(本社東京)へ参画。3次元CADシステムビジネスに黎明期から携わり、特に3次元生産プロセス改善では、常に業界をリードしながら手法開発およびシステム製品企画開発を行ってきた実績を持つ。O2では、これら27年に及ぶ経験を生かし、「3D-DPRM」の開発を主導する。
O2(http://www.o2o2.co.jp/)は、設計開発領域を専門とするプロ集団。業務プロセス改革から高度な技術課題解決までを総合支援。3D-DPRMなど独自の方法論を提唱し続ける。