最新の半導体回路技術を競う国際会議「IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC) 2011」が,2011年2月下旬に米国で開催される。今回は「健康的な生活のためのエレクトロニクス」をテーマに多くの論文が集まった結果,採択率が31.5%と狭き門になった。地域別の採択論文数では,日本が前回比8件減と大幅に減らした一方で,韓国や台湾,中国,インドなど他のアジア地域は採択数を増やしている。

投稿論文数が回復

 2011年2月20~24日に,半導体回路技術の国際会議「IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC) 2011」が米国サンフランシスコで開催される。基調講演は会議のテーマである“健康”に合わせて,例えば韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,PresidentのOh-Hyun Kwon氏が「健康的な生活に向けた,環境に優しい半導体技術」と題して講演する。

 今回の会議の論文採択率は,ここ最近では最も低い31.5%となった。投稿論文数が増加したことが一因だ。投稿論文数は景気の影響を受けやすいことから,リーマン・ショック後の2009年には大きく減少していた。その後は徐々に回復し,2011年は2008年を超える669件に達した。

 地域別の採択論文数では,2010年と同様に米国,日本,韓国の順になっている。ただし,日本は前回の32件から今回は24件と,8件もの大幅減となった。一方,韓国は3件増の22件となり,日本の採択数に肉薄している。韓国の他にも,台湾が5件増やして14件,中国とインドがそれぞれ3件発表と,アジア勢の健闘が目立った。

『日経エレクトロニクス』2011年1月24日号より一部掲載

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