700M/900MHzの再割り当て方針

 携帯電話機やセンサ・ネットワーク機器の海外展開を後押しする,700MHz帯と900MHz帯の周波数再編の方針が決まった。総務省の「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ(周波数検討WG)」は2010年11月に最終報告書の取りまとめを行い,同年12月に政務三役に承認された。今後,この方針に従って周波数が再編される。

 700M/900MHz帯は距離減衰が少なく電波が遠くまで飛ぶなど,移動通信にはうってつけの“黄金周波数帯”である。前回この周波数帯近辺で移動通信への割り当てがあったのは1994年のこと。今回の大規模再編は,この周波数帯における今後数十年の電波利用のあり方を決めるものだ。

海外勢の反発で再検討

 今回の報告書では,二つの注目すべき方針が示された。一つはワイヤレス・ブロードバンド実現に向けた2020年までの周波数確保の方針である。具体的には700M/900MHz帯において移動通信向けに100MHz幅を確保するほか,3G~4GHz帯で第4世代移動通信方式「IMT-Advanced」向けに周波数を確保する。

 もう一つが,700M/900MHz帯における具体的な周波数の割り当て方針である。

『日経エレクトロニクス』2011年1月10日号より一部掲載

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