3次元CADを導入したが、なかなか開発プロセスの効率化が進まない──。そう悩んでいる企業は少なくない。この悩みは、新しい機能を持ったツールを導入したからといって解決するものではない。3次元設計に取り組んではいるが、十分な効果が得られていない企業の体質のどこに問題があるかを分析し、その結果に応じた改善方法を選択できるスキルを、本コラムでは伝授します。

 前々回(2010年11月号)、前回(同年12月号)に引き続き、設計の標準化とモジュール化の取り組みを紹介する。前回は、機能設計における標準化とモジュール化の実行手順(図の1~6)について説明したが、今回は前回触れられなかった形状設計における標準化とモジュール化の実行手順(図の7~12)を取り上げる。以下に、形状設計のモジュール化から説明していこう。

〔以下、日経ものづくり2011年1月号に掲載〕

図●設計の標準化・モジュール化の実行手順
今回は形状設計を対象とした標準化・モジュール化(7~12)について説明する。なお、図の手順では、標準化の対象となる製品ファミリーがどのような仕様の範囲をカバーするのかについては定義済みであることを前提としている。
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大泉圭一(おおいずみ・けいいち)
O2 技術ディビジョン コンサルタント
国内自動車メーカーでの生産技術、3次元CADベンダーでのコンサルタント、PLMソリューションベンダーでのコンサルタントなどを経てO2(東京本社)に参画。主に標準化・モジュール化のコンサルティング活動に従事。O2のさまざまな経験を持ったコンサルタントと共に、O2独自の手法を開発し、顧客に提供している。
O2(http://www.o2o2.co.jp/)は、設計開発領域を専門とするプロ集団。顧客企業の業務プロセス改革、高度な技術課題解決を総合的に支援。3D-DPRMなど独自の方法論を持つ。