三洋電機は送受電の両方を用意

 いつでもどこでも,置くだけで充電できる──。こうしたコンセプトを実現すべく,携帯機器のワイヤレス給電に関する取り組みが活発になっている。

 取り組みを主導するのが,ワイヤレス給電の業界団体であるWireless Power Consortium(WPC)だ。ワイヤレス給電方式の業界標準化を目指して,2008年12月に設立された。既に規格策定を完了済みで,関連メーカーが対応機器の開発を着々と進めている。

 WPCの活動に,深くかかわってきたのが三洋電機である。同社はWPCの創設企業の1社で,国内企業では唯一,標準規格の策定に関与できる「Regular Member」である。これまでは表立った動きを見せていなかったが,2010年12月,ついにその製品展開予定などを明らかにした。WPC規格に準拠した携帯機器向けの充電台や,携帯電話機に内蔵するための非接触充電機能付きの電池パックなどの試作機を一気に公開したのである。

 「2011年をキックオフとして非接触充電技術の普及に取り組んでいく。こうした技術は,いずれ社会インフラにも入り込む。2015年には携帯機器の充電の概念は大きく変わるだろう」(同社 モバイルエナジーカンパニー 充電システム事業部 事業部長の遠矢正一氏)と,積極的に事業展開を進める考えを示した。

『日経エレクトロニクス』2010年12月27日号より一部掲載

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