消費者庁は、公園や学校などの屋外遊具で発生した事故について、原因や再発防止策、点検・補修の要点をまとめた。そこから見えてきたのは、事故の予測の難しさ。子供は、大人に想像も付かない遊び方をするため、一般的な工業製品ではまず問題にならないことでも重大事故の原因になり得る。同庁がまとめた点検・補修のポイントは、安全上のリスク発見にも役立つ。

 消費者庁が発足した2009年9月以降、公共施設などで一般の消費者が重大な被害を受けた事故については、消費者安全法に基づいて地方自治体などから同庁に報告されることになった。実は、この制度によって収集された重大事故のうち、屋外遊具に関するものだけで既に10件以上に達している(表)。

 遊具の事故は、子供の不注意などとして処理されてしまいがちで、根本的な再発防止策などが検討されることもそれほど多くない。しかし、それでは同じような事故が繰り返されることになる。そこで、消費者庁は再発防止の観点から、それ以前に起きていた事故も含めた原因調査に乗りだした。

〔以下,日経ものづくり2010年12月号に掲載〕

表●屋外遊具で発生した重大事故
消費者庁発足以後に報告されたもの。ブランコなどの揺動遊具や、複数の種類を組み合わせた複合遊具で重大事故が多い傾向にあるという。
[画像のクリックで拡大表示]