2010年11月10~12日,ディスプレイ技術と創エネ/蓄エネ/省エネ技術に関する展示会「FPD International 2010/Green Device 2010」が幕張メッセで開催された。今回は,ディスプレイ業界の閉塞感の打破に向けた技術提案が相次いだ。パネル・メーカー各社は,今後も技術の進化を追求していく姿勢を見せる。技術革新によって,ユーザーに新たな体験を提供していく考えだ。

透明ディスプレイに注目が集まる

 「パネル技術の革新がもたらす新しいユーザー体験によって,市場を拡大していく」──。2010年11月に開催されたディスプレイ技術や創エネ/蓄エネ/省エネ技術に関する展示会「FPD International 2010/Green Device 2010」(FPDI/GD 2010)の基調講演で,韓国LG Display Co., Ltd.で研究開発部門のトップを務めるMike Jun氏(同社 LG Display R&D Center, Vice President, Head of Panel Performance Department)は,成熟期を迎えつつあるディスプレイ市場の現状打破に向けて,強い意気込みを示した。

 このJun氏の発言通り,FPDI/GD 2010の展示会場では,次世代ディスプレイ技術が数多く出展された。窓をディスプレイに置き換えるという新たな用途提案をはじめ,3次元(3D)ディスプレイや電子ペーパーの性能改善,液晶パネルの省エネルギー化技術などである。これらにより,「ユーザーの生活を変えるような新たな価値を提供することを目指す」(LG Display社のJun氏)という。

透明ディスプレイが続々

 FPDI/GD 2010で技術者の注目を最も集めたのが,後方が透けて見える「透明ディスプレイ」である。出展したのは,韓国のパネル・メーカーであるLG Display社とSamsung Electronics Co., Ltd.,Samsung Mobile Display Co., Ltd.(SMD社)の3社。オフィスにある窓やショーウインドウなどへの設置を想定しており,デザイン性の高さを特徴とする。

『日経エレクトロニクス』2010年11月29日号より一部掲載

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