何やら丸い隕石のような物体が、水面にプカプカと浮かんでいる。実はこれ、直径4mmの鉄の玉。水に浮かぶのは、中が空洞になっているからだ。JFEテクノリサーチ(本社東京)が開発し、「TEC-BALL」として実用化/量産化に乗り出している。

 その上に、ほのぼのとした原風景が写る。軒先の冷たい空気に豆腐をさらし、凍り豆腐を作っているところだ。

 水に浮かぶ鉄の玉と凍り豆腐。一見すると合い入れない両者だが、実はある共通点を持っている。製造過程の一部が同じ考え方に基づいている点だ。

 ここで問題。このTEC-BALL、どうやって造っている?

〔以下、日経ものづくり2010年10月号に掲載〕