日本ヒューレット・パッカード(HP)は2010年8月、インターネットに直接接続できるプリンタ「HP Photosmart Wireless B110a」を発売した(図)。ネットワーク経由でコンピュータの計算能力や記憶能力を提供/利用するクラウド・コンピューティングを前提とした製品。これ以外にも、例えばソニーなどが米Google社などの技術を利用してクラウド対応テレビを開発し、2010年秋にも米国で発売すると発表しているなど、クラウド対応の製品開発が加速している。

 B110aの「クラウド・プリンティング」は、具体的には2つの機能で実現した。1つは、プリンタ1台ごとにメールアドレスを持たせ、このアドレスに送付されたものを印刷できる「メールdeプリント」機能。もう一つは、年賀状のデザインサービスや商品割引券の提供など、印刷を前提としたサービスについて、プリンタからWebサイトに直接アクセスして印刷する「アプリdeプリント」機能だ。Webサイトへのアクセスには、操作パネルの小型ディスプレイを使う。

〔以下、日経ものづくり2010年9月号に掲載〕

図●日本HPが「クラウド・プリンティング」
対応プリンタの第1号として発売した「HP Photosmart Wireless B110a」