マツダはミニバンの「プレマシー」を全面改良した。プラットフォームや主要コンポーネントを踏襲しながらも、「NAGARE」と呼ぶ自然の美しさを取り入れたデザインを採用し、アイドリングストップ機構「i-stop」の採用で燃費も向上させた。

 新型プレマシーの全面改良は、一見どこが変わったのか分かりにくいほどのキープコンセプトだ。従来型プレマシーは、スポーティーさと両側スライドドアを両立したデザインや、6+1人乗りというコンセプト、ミニバンでありながら走る楽しさを実現した操縦安定性などが特に欧州で好評を得ており、こうした特徴は基本的に踏襲している。
 欧州では、プレマシー程度のサイズのミニバンは、3列目シートが狭く子供くらいしか座れないようなタイプか、5人乗りのタイプが多く、コンパクトでも大人が6~7人乗れるタイプは、より大型の車種しかなかった。コンパクトで7人乗車可能なプレマシーは、独自のポジションを築いていたという。
 こうした、従来型プレマシーの好評点はそのままに、ユーザーから要望の多かった点を改善したのが新型プレマシーである。まず、室内では、2列目中央シートの座り心地を改善した(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2010年9月号に掲載
図 2列目シート
中央席の座面を延長し、3点式シートベルトやヘッドレストを設けた。