ビー・エム・ダブリューは2010年4月20日、同社最小のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)「X1」の受注を開始した。日本市場向けに発売したのは排気量2.0L、4気筒エンジンを積む2輪駆動車「sDrive18i」と、3.0L、6気筒の4輪駆動車「xDrive25i」の2車種。希望小売価格は前者が363万円、後者が480万円。前者はXシリーズとして初めての2輪駆動車になる。

 同社の「1シリーズ」「3シリーズ」から多くの部品を流用した。ホイールベースが同じ2760mmであることからも分かるように、床構造、サブフレームは「3シリーズ」と共通、前のアーム類は「1シリーズ」と共通。後ろのアーム類はほぼ専用設計だが、一部には流用部品もあるという。
 発表会の席上、ビー・エム・ダブリュー社長のRoland Krueger氏は、「日本市場に向けて開発した」とコメントした。世界の販売量の中に占める日本市場のシェアを考えると、額面通りには受け取れないのだが、結果として日本向けの寸法にできていることは間違いない。
 「1シリーズ」より着座位置が9cm高いこともあって全高は1545mm。全幅は1800mm、全長は4470mmだ(図)。この全高は日本では機械式の駐車場に入るギリギリの数字である。なお、純正のカー・ナビゲーション・システムを付けるとアンテナが乗るために全高は1575mmになり、機械式駐車場には入らなくなる。

同社はSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶ。
以下,『日経Automotive Technology』2010年7月号に掲載
図 「1シリーズ」より着座位置は9cm高い