相次ぐ品質問題で、トヨタ自動車は大規模なリコールを行った。しかし、これは同社だけではなく、製造業全体の課題と考えるべきだろう。そこで今回は、同社の一連の品質問題や、それらが示唆する製造業の課題について調査した(調査対象は主として技術者)。

 まず、一連の品質問題で、設計と顧客対応の観点からトヨタ自動車に落ち度があったと思うかを尋ねた。品質問題は、リコールを届け出た順に(1)フロアマットにアクセルペダルが引っ掛かりペダルが戻らなくなる「フロアマット問題」、(2)アクセルペダルの部品が固着してペダルが戻りにくくなる/戻らなくなる「アクセルペダル問題」、(3)凍結路などを減速しながら低速走行している場合にアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)が作動すると制動力が低下する「ABS時ブレーキ問題」、の3つである。

〔以下,日経ものづくり2010年4月号に掲載〕

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