iPadのハードウエア
iPadは,9.7型のLEDバックライト付きタッチ・パネル液晶を搭載する。搭載するSoCは「A4」。Apple社が自社開発した。最大1GHzで動作する。

 「携帯電話機とノート・パソコンの間にある『第3のスクリーン』として,多くの人はネットブックを挙げる。しかし,他の機器と比較してネットブックに機能面で優れている点はない。それに対する我々の答えはiPadだ」(米Apple Inc.,CEOのSteve Jobs氏)。2010年1月27日,Apple社はかねてうわさのあった,タブレット型の新端末「iPad」を発表した。

 9.7型のタッチ機能付き液晶を備えるiPadは,簡単に言えば「iPod touch」の大型版である。主な違いは,音楽や動画,Webブラウジングなどに加え,電子書籍端末としての利用を想定している点。電子書籍で主流のフォーマットであるEPUBに対応したアプリケーション「iBooks」を搭載する。

 iPadには,無線LAN機能のみを内蔵する機種と,第3世代(3G)のデータ接続機能も備える機種がある。Apple社は,前者を出荷する2010年3月末から,米国市場で「iBookstore」と呼ぶ電子書籍のオンライン配信サービスを開始する予定である。

価格競争力をアピール

 もっとも,iPadのような“すき間市場狙い”の端末を成功させるのは容易ではない。Apple社は,得意とするユーザー・インタフェース(UI)の作り込みや,iPhoneと同様に第三者のアプリケーション開発者を巻き込むことで,成功を目論む。「我々の成功の要因は,最新技術と一般教養学から習得したことを,簡単で楽しいユーザー体験として提供した点にある」(Jobs氏)。

『日経エレクトロニクス』2010年2月8日号より一部掲載

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