世界的に環境規制が強まる中,PLMベンダーが,有害物質を管理するツールの拡充や機能強化に力を入れている。製品のグローバル展開と相まって順守すべき規制は増大・複雑化するばかり。今や韓国版・中国版RoHSなど国・地域ごとにさまざまな規制が存在する。

 特に,メーカーが手を焼いているのがREACH規則だ。6物質に焦点を絞ったRoHS指令と違い,REACH規則の対象物質は約3万物質ともいわれている。しかも,高懸念物質(SVHC)が随時,変更・追加されるため,企業はその対応に追われることになる。BOM(Billof Materials)を基に含有物質をサプライヤーへ問い合わせ,収集したデータを集計・確認し,報告書を提出する──。このサイクルを手作業で回していては,膨大な手間とコストがかかる。かといって,対応が遅れると莫ばくだい大な損失につながりかねない。

 「これまで多くの企業は内製のシステムで対応していたが,REACHのような複雑な規制に対応するには,堅牢で拡張性の高いシステムが必要」(米PTC社 Product and MarketStrategy,DirectorのJohn Fox氏)。そこでPLMベンダーは,含有物質データの収集・分析から,レポート作成に至る環境規制に即応するための機能を持ったITツールを提供している。

〔以下,日経ものづくり2009年12月号に掲載〕