ネットワーク・サービス「M-LinX」に対応する「RYOMA」(下)と「M-LinX Tuner Box」 (上)。左は,JVC・ケンウッドHDの前田悟氏。

 JVC・ケンウッド・ホールディングス(HD)は,「ユーザーに欠乏感を与える商品の提供と売り切りビジネスからの脱却」(同社 執行役員常務 新事業開発センター長の前田悟氏)に向けて,新たなネットワーク・サービス「MLinX」を発表した。対応機も併せて開発し,製品販売とサービス提供を2010年春に開始する予定である。

 M-LinXは,FM/AMラジオ放送をインターネット網経由で配信するサービス。電波障害などによる難聴取地域に向ける。現状のラジオ放送と同様の地域にのみこのサービスを提供できるように,独自の技術でユーザーの位置を特定する。ただし,技術の詳細は明らかにしていない。

 JVCケンウッドHDは,M-LinXで音声を配信するだけではなく,映像や広告などのデータを付加できるシステムを開発中だ。サービス提供時に広告収入などを得ることで,「売り切りビジネスからの脱却を目指す」(前田氏)。既に,エフエム東京など複数のラジオ放送局とサービス開始への具体的な交渉を進めている。将来は双方向通信を用いて,ユーザーの趣味やコンテンツに連動した広告展開や情報提供などを進めていく。

『日経エレクトロニクス』2009年10月19日号より一部掲載

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