日産自動車が7月に発売した「スカイライン クロスオーバー」は、クーペとSUVを融合させたという新しいジャンルの新型車だ。すでに米国では「Infiniti EX」として1年半前から発売している。クーペとSUVを融合した車種としては、最近BMW社が「X6」、ホンダが「Acura ZDX」を発売しており、一つの流れになりつつある。

 日産はデザイン重視のSUVとして、従来から「ムラーノ」や「Infiniti FX」などを販売しており、「スカイライン クロスオーバー」(図)もその延長線上にある。スカイラインやInfiniti FXに採用している「FR-L」プラットフォームを使った新ジャンルの車種としてどんなものが考えられるか、というのが新型車の発想の原点だったという。その結果浮かび上がったのが、「クーペ+SUV」というアイデアだった。
 そのアイデアを具現化したのが、2003年1月に開催されたデトロイトモーターショーに日産が出展したコンセプト車「Infiniti Triant Concept」だった。このときはガルウイングドアを持つ2ドアクーペとSUVを融合したモデルだったが、その後、実用性なども加味した上で、4ドア車となった。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載
図 日産自動車の「スカイライン クロスオーバー」
クーペとSUVを融合させるというコンセプトで開発された。