久井 信也
ソリューションサービス研究所

「開発費を下げてほしい」─プロジェクトで無理難題に直面することはよくあります。突っぱねるわけにはいかないし,相手の言いなりになってもいけません。ここで重要になるのがネゴシエーション(交渉)力です。しかし,実際の交渉では何から手を着ければよいのか,戸惑う技術者が多いようです。事前にどのような準備をして,どのように相手との対話を進めればよいのか,難航したときにどう対処すればよいのかを解説します。(本誌)

プロジェクト・マネジメントとコミュニケーション力の位置付け

 プロジェクトでは,さまざまな局面で関係者へのヒアリング/インタビューとディスカッションが行われます。話し合いが順調に進んですべて合意できればよいのですが,価値観の違いもあるので簡単にはいかないものです。

 そこで,交渉(ネゴシエーション)が必要になります。交渉と聞くと,なんとなく気が重い,と思う人は多いようです。「お互いに主張し合って,言い負けた方がしぶしぶ妥協し,社内に帰るとまたたたかれるという姿が思い浮かぶ。だから,できるだけ交渉を避ける」─これではプロジェクトの責任ある立場を全うできません。今回は,勝ち負けではない,お互いが納得する交渉の進め方を解説します。

『日経エレクトロニクス』2009年9月7日号より一部掲載


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