「経済環境が厳しいにもかかわらず、クルマの品質は業界全体で向上している」――。こうした傾向がCS(顧客満足度)に関する調査会社である米J.D.Power and Associates社が発表した、米国における2009年の自動車初期品質調査(Initial Quality Study:IQS)で明らかになった(図)。
 この調査は、新車を購入してから90日間経過したユーザーが経験した不具合を調べ、100台当たりの不具合指摘件数をスコア化したもの。壊れるなどの「製造不具合」と、使いにくいなど「設計不具合」を含む。スコアが低いほど不具合が少なく、品質が優れる。
 業界平均のスコアは、2008年より10ポイント低い108となり、前年比で8.5%向上した。また、GM社、Ford Motor社、Chrysler社の米国ブランドの平均は、前年より12ポイント少ない112。この値は、前年比で9.7%向上となり、業界全体より高い改善率となった。
 ブランド別ランキングでは、トヨタ自動車のレクサスが3年連続首位だったドイツPorsche社を抑えて4年ぶりにトップに返り咲いた(前年は3位)。2位はPorsche社。3位は前年の10位から上がったCadillac、4位はHyundai(同13位)となった。前年から最も順位を上げたのは、前年の32位から9位まで上がったスズキである。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載
表 2009年米国自動車初期品質調査のブランド別ランキング
100台当たりの不具合指摘件数を示す。(出典:米J.D.Power and Associates社)