米Better Place社は、EV(電気自動車)向けに、電池交換式の充電ステーションの展開を計画しているベンチャー企業だ。2011年にはイスラエル、2012年にデンマークと相次いで充電ステーションを実用化する。日本法人であるベタープレイス・ジャパン社長の藤井清孝氏が、事業展開や将来の見通しを語った。

ベタープレイス・ジャパン社長 藤井清孝氏

 EVは、車両価格が高い、航続距離が限られるという課題がある。当社が提案する電池交換式を採用したEVであれば、この二つを同時に解決できる。EVのコストの多くは2次電池が占める。電池をリースにすることで電池のコストを抑えることが可能になり、EVの普及につながる。
 EVはガソリン車に比べて、充電に時間がかかるのも課題だ。特にタクシーなど商用車用途では、充電時間の長さはビジネス機会の損失になるため、少しでも短く抑えたいとの声が多い。電池交換式のEVであれば、交換の時間は1分30秒程度で済む。
 イスラエルとデンマークのEV事業に関しては、Better Place社と仏Renault社および日産自動車で提携している。Renault社が電池交換式の4ドアセダンのEV「Megane」を開発・実用化し、Liイオン2次電池を日産自動車の合弁会社が提供する。Better Place社が充電ステーションを用意する。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載