新型レガシィは、ドライバーだけでなく、助手席や後席でも快適に過ごせるクルマを目指した。前席はアクティブヘッドレスト機構を省き、快適性を重視したシートを採用。新開発のCVT(無段変速機)やサブフレームの採用で燃費、快適性、安全性を向上させている。エンジンマウントは従来の3点から4点に増やして静粛性を高めた。

 新型「レガシィ」が目指したのは、これまでの“ドライバーを中心とした走りのクルマ”からの脱却である。新型車を開発するにあたって、ユーザー調査を実施したところ、家族や友人など複数で乗車することが多く、助手席や後席の快適性の向上を求める声が多かった。
 新型レガシィは、車体を大型化して室内空間を広げたほか、静粛性と安全性を高めた。エンジンと変速機を広いスパンで支えるサブフレーム「クレードル構造マウント」を採用し、静粛性や安全性を向上させた。
 一方で、これまでのレガシィらしさを保つために、走りの性能も高めている。エンジンのラインアップは先代の2.0L~3.0Lから、2.5L~3.6Lに排気量を増やした。にもかかわらずエンジンの軽量化や新開発CVT(無段変速機)の導入で燃費は抑えた。先代と同様にセダン「B4」、ワゴン「ツーリングワゴン」、クロスオーバー車の「アウトバック」を用意する(図)。国内のワゴン市場が縮小する中、アウトバックで新規ユーザーを獲得したい考えだ。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載
図 新型「レガシィ」
セダン「B4」、ワゴン「ツーリングワゴン」、クロスオーバー車の「アウトバック」。