先が見えない不況の中,メーカーは選択を迫られている。新事業や新市場で躍進する可能性に懸けるのか,それとも既存の事業や市場で当面の不況をしのぐのか---。悩みは深い。

 技術者もまた,全く同じ構図の岐路に立たされている。つまり,この時期にあえて新天地を求めて転職に踏み切るかどうかという分かれ道だ。常識的には“静観”だろう。しかし,知識やスキルに自信のある技術者なら,これから伸びそうな分野や会社に移るという選択もあり得る。なぜなら,現在手掛けている分野や所属している会社がこれから先も安泰とは限らないからだ。

 そこで,今は技術者が転職する時期として良いか悪いかを尋ねたところ,「とても良い」「それなりに良い」と回答した人の合計は19.8%だったのに対し,「あまり良くない」「全く良くない」の合計は72.9%に達した(Q1)。

〔以下,日経ものづくり2009年7月号に掲載〕