FPD業界の企業はどこも厳しい。中でも,装置メーカーは特に厳しい。中国の内需拡大政策の効果などによって,パネル事業や部品・材料事業にようやく復活の兆しが見えてきた。しかし,新たな設備投資の話は全く出ていない。ついに「ポストFPD事業」という言葉を口にする装置メーカーも出てきている。これまで日本のFPD産業の強みの源泉は,どこにあったのか。パネル・メーカー,装置メーカー,部品・材料メーカーのそれぞれが技術革新を進め,お互いの技術をすり合わせて磨く業界構造にあった。三位一体の一角が崩れ掛けていることの意味は,想像以上に重く,大きい。これまで抱えていた構造的な課題を一掃すべく,装置メーカーの手段を選ばないサバイバルが始まった。