植木に水をやっているイメージを思い浮かべるだけで,ロボットが水をやり始める。そんな画期的な制御法の基礎となる技術が登場した。ホンダの研究開発子会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(本社埼玉県和光市,以下HRI),国際電気通信基礎技術研究所(本社京都府精華町),島津製作所が共同開発を進めているBMI(Brain MachineInterface)技術である。人が考える際の脳の活動をセンサで測定し,そのデータを基にロボットを制御する。

 例えば,右手を動かすことをイメージすると,それに対応した特徴的な脳の活動パターンが表れる。これを判別してトリガーとし,2足歩行ロボットを遠隔操作してロボットの右手を実際に上げさせることが可能になった(図)。

〔以下,日経ものづくり2009年5月号に掲載〕

図●脳でロボットの右手を上げさせる制御の流れ
センサを取り付けた“ヘルメット”をかぶって,右手を動かすことを考える。この際に脳波と脳血流を同時に測定(a,b)。そのデータを解析して4種類の動作イメージのどれに当たるかを判別する(c)。右手と判別された場合,ロボットに対して右手を上げるコマンドを無線で送信し,ロボットの右手を上げさせる(d)。