提携会見の様子

 「今回の提携の真の狙いは,単純な製造委託ではない。これからの成長市場に向けて,長期的な戦略を描いた上での結論だ」(米Intel Corp.)。

 2009年3月初頭,パソコン向けマイクロプロセサで市場シェアの約8割を握るIntel社と,Siファウンドリー最大手の台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.(TSMC社)が手を組んだ。両社は,Intel社の「Atom」マイクロプロセサの製造を中心にした戦略的な合意を結んだ。この合意でTSMC社は,Atomコアを搭載したSoC(system on a chip)の製造が可能になる。このために,Intel社は,Atomコアの技術をTSMC社のプロセスやIPコア,ライブラリ,設計フローなどに移植する。組み込み機器や家電製品,ミニ・ノートと呼ばれる小型パソコン,携帯端末といった市場を狙う。今回の提携に基づくSoCの市場投入時期については明言しなかったが,「この合意事項の実行に,両社は切迫感を持っている」(Intel社)と述べた。

『日経エレクトロニクス』2009年3月23日号より一部掲載