永沼 成子
日経マーケット・アクセス

1996年に登場した白色LEDは,携帯電話機のカラー化がきっかけとなって市場に広まり,最近ではノート・パソコンのバックライトへ採用が拡大,一部の自動車ではヘッドランプにまで使われるようになった。さらに,照明光源としての期待が高まっており,LEDメーカーや照明器具メーカーはLED照明に向けた技術開発や製品ラインアップを強化している。使い手側となる建築・照明関係者はLED照明をどのようにとらえているのだろうか。今回,日経マーケット・アクセスが実施した調査で,LED照明に寄せる期待と現実が浮き彫りになった。(大久保 聡=本誌)

 「性能は急速に向上している。価格は生産量が増加すれば下がる」─。これは,LED照明についてのLEDメーカー側からの典型的な説明である。しかし,建築設計や照明デザインなどを提案する建築・照明関係者は,このスローテンポともいえる展開にいら立ちを示すほどLED照明に向けて大きな期待を寄せている。このような事実が,建築・照明関係者を対象に日経マーケット・アクセスが2008年10月に実施した調査で明らかになった。