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バイオ燃料を使うと温室効果ガスは減らせるが
製造に大量のエネルギを使うものはメリット少ない

 バイオ燃料の多くはガソリンや軽油に比べて温室効果ガスの排出量が半分以下と小さいものの、製造するときにエネルギを大量に消費することが、その効果を減殺している(図)。これは、みずほ情報総研がトヨタ自動車と共同でまとめた研究報告書から明らかになったもの。Well-to-Tank(1次エネルギの採掘から燃料を製造し、燃料タンクに充てんするまで)でのエネルギ消費量と温室効果ガス排出量を算出し、比較した。

輸送用燃料1MJを製造するときのエネルギ消費量と温室効果ガス排出量の関係
輸送用燃料1MJを製造するときのエネルギ消費量と温室効果ガス排出量の関係
「ケース1」はブラジルでバガス(サトウキビのしぼりかす)の余剰分をエタノール原料として利用する、「ケース2」は所内エネルギとして利用しているバガスをエタノール原料に回し、その代替エネルギとして新たに軽油を投入する、「ケース3」は省エネルギ技術を導入して増加したバガス余剰分をエタノール原料として利用する。