9個のスイッチング素子で構成されるマトリックス・コンバータ。これらの素子のオン/オフを最適なタイミングで切り替えて,所望の周波数と振幅の交流出力を得る。このため,制御は極めて複雑だ。今回は「AC直接方式」と「仮想間接方式」という代表的な二つの制御方式を説明し,優劣を探る。(山下 勝己=本誌)

伊東 淳一
長岡技術科学大学 電気系 准教授

 交流電力を直接,周波数や振幅が異なる交流電力に変換するマトリックス・コンバータ。既存のインバータに比べて,外形寸法が小さい,変換効率が高い,高調波電流の発生量が少ない,メンテナンス・フリーが実現できる,といったメリットを備えている。