【事故は語る】電気こんろの誤使用に配慮不足 メーカーには改修の負担が続く

うず巻き型電気こんろに起因した火災事故が後を絶たない。電気こんろの上に可燃物を置いていたという誤使用がその背景にはあるが,スイッチが飛び出しているために期せずして通電状態になりやすかったという製品側の配慮不足も原因の一つだ。メーカーや業界は無償回収や,使い方に関する啓発活動などを進めているが,その終わりはなかなか見えてこない。

 製品評価技術基盤機構(NITE)は2008年10~11月に,電気こんろに起因した火災事故の再現実験を実施した(図)。電気こんろの上に新聞紙や洗いカゴなどの可燃物を載せ,電気こんろに体の一部をぶつける。すると,電気こんろが通電状態となり,可燃物が燃え上がることが確認された。(以下,「日経ものづくり」2009年1月号に掲載)

図●NITEが実施した電気こんろによる火災事故の再現実験
図●NITEが実施した電気こんろによる火災事故の再現実験
上面にスイッチがあるタイプでも,電気こんろの上に可燃性の荷物などを置くと,その重さでスイッチが押された状態になってしまう(上)。この状態で荷物などが動くとスイッチが入ってしまい,火災に至る(下)。