【特報】カネでなく頭を使う “からくり改善”

生産現場の効率化を進めようにもこのご時世,大きな投資は行えない。そんなときは,“からくり”による設備や治工具の改善の出番。機構の創意工夫によって目的を達成するものだ。モータやセンサを極力使わないことで維持費を削減し,既存の材料や設備を使うことで製作費も抑える。カネを使わずに頭を使おう,ではないか。

 生産現場を改善する“からくり”では,目的の機能を実現する動作と,限られた動力源をいかに簡単に結び付けるかがポイントになる。カムやリンク,歯車などの動力伝達機構をうまく利用するとともに,ワークの姿勢を維持したり,動作タイミングを制御したりといった仕組みも必要だ。(以下,「日経ものづくり」2009年1月号に掲載)

図●滑車を使ってストロークを拡大する方法
図●滑車を使ってストロークを拡大する方法
複数の可動滑車と固定滑車を組み合わせることで,エアシリンダのストロークを何倍にも拡大できる。日産自動車栃木工場では,溶接ガンのケーブルを持ち上げるために,エアシリンダのストロークを9倍に拡大して活用中だ。