【詳報】社会ぐるみで技術者を育て 新産業を生む台湾モデルのカラクリ

 台風シーズンを迎えていた2008年9月下旬。台湾の台北世界貿易センターで開催されていた「台北国際発明展およびテクノマート見本市」では,外の悪天候とは裏腹に,説明員を務める若い技術者たちの明るい笑顔でにぎわっていた。同イベントは,台湾の中小企業や個人などによる発明品を展示する「台北国際発明展」と,政府系研究機関や大学が研究開発した台湾屈指の技術が陳列される「テクノマート見本市」を合同で開くもの。台湾政府の経済部や国防部,教育部などが主催している。(以下,「日経ものづくり」2009年1月号に掲載)

図●技術者育成システムが「分散型」の日本と「集中型」の台湾
図●技術者育成システムが「分散型」の日本と「集中型」の台湾
日本は技術者の育成が各メーカーに任されているが(a),台湾では高度な技術開発を担う技術者の育成は,主に政府系研究機関が担っている(b)。