「突然,はしごを外されたようなもの」(ある国内半導体メーカーの技術者)。  超広帯域を利用する無線技術「UWB(ultra wideband)」の研究開発に取り組む企業が,大きく揺さぶられている。UWBの強力な推進役であった米Intel Corp.が,UWBを物理層に使う「Certified Wireless USB(WUSB)」向けICの製品開発を取りやめたことが明らかになったからだ。

 Intel社は早くからUWBに着目し,研究開発を進めてきた。USBインタフェースの無線化技術を探していた同社には,数百Mビット/秒の無線通信が可能なUWBはうってつけだった。同社はノート・パソコンなどに組み込むWUSBのホスト・コントローラICを,自社開発する方針を示していた。