日経オートモーティブ 連載 自動車部品進化論 旭硝子 第10回 ガラス

デザインの多様化に対応しながら
中間膜やアンテナの機能を強化

自動車用ガラスは板ガラスをカットし、熱を加えて3次元形状に変形させる。最近はガラス面積の拡大だけでなく、より複雑な曲面形状が求められており、自重で変形させるだけでなくプレス成形も併用している。前面ガラスでは、熱や音を遮断する中間膜の挿入やアンテナの一体化など高機能化が進んでいる。


 一口に自動車用ガラスといっても、前面とその他の面では役割が大きく異なる。前面はウインドシールド、すなわち風防と呼ばれる通り、当初の役割は運転者にとって風除けであった。
 前面ガラスの安全性が注目されるようになったのは1944 年にスウェーデンVolvo社が合わせガラスを採用して以降。合わせガラスは、簡単に言ってしまえば、2 枚のガラスの間に強度の高い柔軟な樹脂膜を挟みこみ、外部からの衝撃でガラスが割れた際に飛散を防止するものだ。

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