振動を利用する小型発電機が実用化に一歩近づいた。オムロンは2008年11月初旬,従来よりも安価にできる振動発電機の試作品を発表した。三洋電機も同時期に,従来よりも発電量が大きい試作品を披露した。いずれも電極としてエレクトレットを使う。エレクトレットを使った振動発電機の試作例は多いが,複雑な構造のものや発電量の小さいものが大半だった。

 オムロンは実装方法を簡略化して,安価にしやすい構成とした。3年後の実用化を目指す。「将来は1個1000円以下を狙える」(同社)という。発電量は周波数20Hzで加速度1Gの振動入力時に10μWとなる。キャパシタに数十秒から数分かけて蓄電し,間欠的に機器を動作させるといった使い方を想定する。外形寸法は20mm×20mm×8mmで,高さ4mmの次世代品も開発中。既に自動車のタイヤ空気圧監視装置に搭載した実験を始めている。